C-2 class : 3rd game

 昨日一昨日と順位戦C級2組3回戦の25局が行われてました。私は現在課金してるのが日本将棋連盟モバイルのみなので、そちらで中継された4局についてのみで。

  • C級2組3回戦

▲矢倉規広(1-1)-△千田翔太(2-0)…△千田勝ち

 出だしは▲7六歩△3四歩▲6六歩△1四歩と相振り飛車風でしたが、なんだかんだで相居飛車に。
 矢倉が左美濃含みに▲7八銀と上がると、千田は左銀を中央に繰り出して急戦矢倉へ。通常の▲6八銀から組む場合に比べて中央が手薄と見ての動きでしょうか。単に薄い玉形で暴れるのが好きなだけという可能性もありますけど。
 途中までは後手の玉が薄すぎてさすがに大変だろうと思ったんですが、局面が進んでみると囲いに収まる前に戦闘に巻き込まれてしまった先手玉の方が大変なことになってました。相手が中央から攻めてきてるので左美濃には組みづらい先手は▲7七銀〜▲7九角と矢倉に切り替えたんですが、この角が6八などに上がる暇も与えずに後手が襲ってきたので角が壁になって玉を囲うルートが防がれてしまってたという。結局、先手玉は作った城の玄関にも辿りつけずに6九の地点で討ち死に。
 相手の角道が閉じてない=急戦がある状態での左美濃にはこういう危険もあるんですね。デビル中田の左美濃は後手の作戦ですし。好調千田は無傷の3連勝。

岡崎洋(2-0)-△長岡裕也(2-0)…▲岡崎勝ち

 横歩取り、先手は6八玉型、後手は8四飛・5二玉型。
 後手は△7二銀と一手で囲いを済ませて先攻狙うのかと思いましたが、どうも踏ん切りがつかなかったようで△5一金と中原囲いへの組み替えにシフト。しかし、それを見た瞬間に先手から▲9六歩、詰められてる自玉側の端を突く地獄突きで開戦。地獄突きってだいたいが切羽詰まった局面での勝負手として繰り出すもので、最初の仕掛けに突くようなもんじゃないんですが。よほど後手の中原囲いへの組み替えが甘えに見えてピキッと来たんでしょうか。そんなの通すと思ってんのかタココラと。
 リフォーム途中でとっ散らかった玉形で戦いに突入しては強く戦えません。なおさら踏ん切り悪くなった後手の攻めを、先手は1九、2九、3九と並べた三本の香の槍衾で串刺し。最後はついに踏ん切りつけたというかヤケクソになった後手の特攻もきっちり処理して岡崎3連勝。

▲佐藤慎一(2-0)-△桐山清澄(2-0)…▲佐藤勝ち

 横歩取り、△8五飛+5二玉型中原囲い。
 派手な空中戦というイメージ強い横歩取りですが、桐山は34手目△2四歩、54手目△7四歩、56手目△8一飛、64手目△7四桂とキズを丁寧に消していく渋い手を連発。飛車も隠居させながら耐えて反撃のチャンスを窺い、ついに満を持して四枚の桂を投入して総攻撃。三桂あって詰まぬことないんなら四桂あったらどうなってしまうのか、世界が終わるんじゃないかとも思われましたが、王どころか歩越しの狭い飛車すらろくに詰ませることもできずに空振ってチャンスタイム終了。まあ、頭の丸い駒ばっかりあっても、ねえ。

▲竹内雄悟(2-0)-△加藤一二三(0-2)…▲竹内勝ち

 先手ノーマル四間に後手はもちろん棒銀の対抗型。普段は角道閉じない現代振り飛車ばっかり指すような若手も、加藤相手にはクラシックなノーマル四間ぶつけてくる印象あります。それが「加藤の棒銀」を勉強したいという熱い思いからなのか、居飛車穴熊やってこないから与し易いというドライな計算によるものなのかは分かりませんけど。
 金の一人遊びで手待ちする振り飛車に対し、居飛車は後手ですし飛車のスクワットで千日手狙いにいく手もありそうでしたが、長考の末に敢然と桂跳ねて自ら退路を断つのは剛毅な加藤らしい。捌き合いの末、先にと金できたあたりではそれなりに居飛車も戦えそう。と思ったら、ちょっと目離してるうちに桂と金銀の交換というゴッツい駒損になってました。うーん。それでも持ち時間使いきって日付変わるまでは指し続けるんですから、恐るべき闘争心です。