第73期B級1組一回戦

 ブログも始めたことだし、久しぶりに名人戦棋譜速報に課金して観戦。

 横歩取りからの激しい将棋。
 銀得したところでは先手良さそうに見えたんですが、▲6五角は何だったんでしょう。ミエミエの△8五飛の馬角両取り掛けさせて、何かあるのかと思ったら特に何もなく。桂香を惜しみなく自陣に投入して、無慈悲に相手の手を殺していく貴族の受けに畠山の攻めは完全に切らされて戦意喪失。

 山崎得意の相掛かり引き飛車棒銀
 村山の端攻めに対して、力強い金立ちからの▲9二角と何取りでもないボンヤリ角打ち。観戦してて思わず「何だこの手」と呟いた角でしたが、これが後手の攻め駒を一掃する、責め受けの好手。ボンヤリしてたのは私でした。71手目まで居玉という、らしさ爆発の将棋で山崎圧勝。

 相矢倉の△5三銀右急戦。やはり名人戦の後は、そこで採用された戦型が流行るもんです。この急戦というか、急戦風の何かは後手矢倉の救世主になるんでしょうか。
 先手は7筋の歩を謝らずに、そこを通り道に金を繰り出しての抑えこみ狙う将棋。私好みですが、抑えこみは勝ち切るのが本当に難しい。▲8二銀のような飛車を抑えるためだけに活用の見込みがない金駒打たされてため息出るのがパターンです。入玉狙おうにも、相手陣の桂香を取りきれてない状況では、だいたいが無理で。屋敷も怪しい粘りを見せるも、討ち取られてしまいました。
 

 橋本流の3手目▲6六歩からの相矢倉。
 この橋本流、結構長いことやってるのに誰も真似しませんね。アマチュア的には、矢倉になってくれるならともかく、右四間飛車と相振り飛車という、剛力彩芽ばりの遭遇率と好感度を誇る二大戦型を、条件の悪い形(前者は相手の飛車先不突、後者はこちらだけ角道止めてる)で受けないといけないのがツライ。本局のような相矢倉の場合だと、後手は飛車先不突で矢倉にできるというのが主張としてあるわけですが、それがどの程度の得なのか、というのは興味ある話。

 2局目の相掛かりも、こちらは▲浮き飛車からの相腰掛け銀というクラシカルな形。
 飯塚が▲4五桂〜▲7一角という筋で猛攻。この攻めは角換わりでは見たことあります。豊島大ピンチかに見えましたが、なんとか躱して逆襲。飯塚も龍×2に馬、成銀が開拓して待っているシャングリラへの逃避を図りましたが、金捨て飛車捨てのド派手な寄せで仕留めてみせました。豊島幸先いいスタート。

 先手藤井が角道オープン三間(not石田流)という、また凝りに凝った序盤見せるも21時過ぎに千日手に。先後入れ替えた指し直し局は、△角交換四間の△3一金と寄る形。
 指し直し局でも検討陣が千日手で決まりと力強く断言する局面もあったものの、ここは打開。藤井が捌きにいくも、折角作った馬を相手の飛車と刺し違え、かつ自分の飛車は端に残ったまま、手番は相手にプレゼントという。荒くて重くて捌けてない三重苦の捌きで自爆。与えた手番で木村のガジガジ攻めを喰らってました。4枚コンプしてるのに働いてる感じがない後手の大駒と、ペタペタと金駒貼りつけてる先手の寄せ、終局図だけ見ると初級者さんの将棋かな?という感じも。