右四間退治のお手本

 昨日、順位戦開幕の裏では、達人戦も始まってました。開幕戦はウティvsヒフミン。
 相矢倉の出だしから△右四間飛車に。加藤といえば棒銀が代名詞ですが、この右四間、あと雁木も愛用する戦法。何年か前の順位戦で、真田圭一を右四間でぶっ飛ばしたのは記憶に残ってます。
 対する森内。右四間はアマにはおっかない戦法ですが、プロ的には怖くもなんともないんでしょう。▲4六銀〜▲5七銀上という対右四間では定番の形から、6六の地点であっさりと精算して。で、なんにもないでしょう?って感じで受け切ってしまってました。いや、受け切るというか、ただ処理しただけというか。鉄板を持ち出すまでもなかった。
 あと、対急戦では飛車先を伸ばして反撃の味を作っておくのが大事、ということが定跡書などにはよく書いてありますが、この対局見せたら納得しない人はいないんではないでしょうか。▲2四歩突き捨てただけの手が尋常でない厳しさ。あっという間に終わってしまいました。たぶん、アマチュア右四間使いの中には、この日限りで右四間捨てて二度と指さなくなる人もいるんでは。と思うくらいの右四間退治のお手本となる将棋でした。

 この達人戦、以前はその名の通り、古強者たちによるねじり合いの力勝負が楽しめたのですが。羽生世代が参戦しだしてたからは、もう。ただのオヤジ狩りの現場を見せられるだけの場と化してしまった感が強い、哀愁漂う棋戦となってしまいました。狩ってる方も十分、おじさんなんですけども。いつの間にか、参加者も6人だけでトーナメント表も寂しいことになってますし。参加条件を思いっ切り見直した方がいいです。とりあえず、羽生世代が当分、参加できないように年齢は50歳以上に引き上げて。どうせ非公式棋戦なら、引退棋士も参加ありにするとか、東西対抗の団体戦にするとか。