C-1 class : 2nd game

 名人戦棋譜速報の棋譜一覧を開くと落ちるうちのPC。ヘボい。C1は16局と多いので気になった対局のみさらっと。

南芳一(1-0)-△菅井竜也(1-0)…△菅井勝ち

 菅井はまたまた横歩取り。今度ニコニコの企画で習甦とリベンジマッチするそうですが、それに備えてソフトに穴ありそうな横歩練習してるってわけでもあるまいに。ただ、本局は美濃に囲って横から寄せるという振飛車チックな指し回し見せて、最後は南の攻めをギリ見切って一手勝ち。菅井の横歩おそるべし。

片上大輔(1-0)-△船江恒平(1-0)…▲片上勝ち

 片上の角道を止めた振飛車に、船江は△5四銀型中飛車+左穴熊。流行の中飛車穴熊、とは似て非なる形。通常の中飛車だと5四銀型は良い形ですが、対振飛車の左穴熊との組み合わせだと、飛車が浮くのを邪魔していてやや重い格好。結果、左辺の捌き合いで後れを取って姿焼きにされてました。フナえもんも手痛い一敗。

▲真田圭一(1-0)-△近藤正和(0-1)…▲真田勝ち

 △ゴキ中対▲5八金右超急戦。今期ではC2の▲村田顕弘△遠山雄亮千日手指し直し局に続いて2局目(たぶん)ですが、いずれも先手勝ち。自分では絶対指さないんで細かいことは分からないんですが、ゴキ中の命運を左右しかねない戦型なので動向は気になります。

高崎一生(1-0)-△中村太地(0-1)…▲高崎勝ち

 先手の角交換四間の出だしに、後手が角道を止め向飛車にして相振りに。中村は後手+端に二手+角道止める+向飛車+矢倉と出遅れ要素の数え役満な堂々とし過ぎな駒組みで、大丈夫かいなと思ったら大丈夫じゃありませんでした。先手の猛攻をひたすら耐えるだけの将棋になり、結局一度も攻めのターンが回ることなく崩壊。そもそも端の早々の突き越しを主張するなら居飛車にするべきだったと思うんですけど。首をひねるような作戦選択からの完敗で中村まさかの連敗スタート。

▲北島忠雄(0-1)-△浦野真彦(1-0)…▲北島勝ち

 2手目△3二飛から角道を開けずに△3一角と引いて向飛車に振り直すという謎の趣向を見せた浦野でしたが残念ながら不発。5手目▲5五歩突かれてる時点で、引き角のハッチに重し乗っかって開かない状態なわけで、無理があったと思います。以前、将棋倶楽部24で初手▲9八香から▲9九角〜▲8八飛という向飛車やられたことありますが、それを思い出しました。

▲塚田泰明(0-1)-△富岡英作(1-0)…△富岡勝ち

 △一手損角換わりの相腰掛け銀から、まだ後手玉が4二までしか囲ってないところで先手がいきなり開戦。ちょっと見たことないタイミングでの仕掛けでしたが、後手も4五に跳ねてきた桂を△同銀と食いちぎるという見たことない対応で応戦。素手で殴り合う50歳。素敵やん。

▲澤田真吾(1-0)-△大石直嗣(0-0)…▲澤田勝ち

 森信雄門下の同門対決。相矢倉から矢倉中飛車に変化した大石に対し、左金を6七に上がって受け止めにかかる澤田。お互い、いかにも森門下っぽい形にこだわらない力強い将棋。同門だからって将棋が似るってことは普通ないんですけど。終盤、飛車取りに対して桂の利いてるところに飛車を逃げるという鬼手が飛び出して澤田勝ち。澤田の終盤は若手でも随一ですね。切れるというより怪しい、魔術師タイプ。風貌からして黒魔術使いそうですし。

佐々木勇気(1-0)-△神谷広志(0-1)…△神谷勝ち

 一方、佐々木は16歳プロデビューという、いかにも鋭そうな神童的経歴に見合わず、意外と終盤切れないタイプ。まあ、この一局で見逃した詰みは終盤切れる切れないのレベルの問題じゃないですけど。あれは私でも一分あれば読めます。たぶん。最後は23手詰を詰まされての負け。ちょっと今後の信用に関わる負け方でしたこれは。

大平武洋(1-0)-△脇健二(0-1)…△脇勝ち

 またまた登場、横歩取り△7二銀型からの飛車ぶつけ。これも初めて指したのは松尾歩らしいですね。今月の「将棋世界」の勝又講座に書いてありました。すでに「松尾流」が飽和状態のせいか、この指し方は松尾流ともなんとも言われませんが。
 対局は大平安定の夕休前投了。まだ駒の損得もなかったんですけど。普通ならこれも信用に関わる投げ方ですが、大平の場合は逆の信用があるのでまあいいんじゃないですかねどうでも。

▲阪口悟(0-1)-△堀口一史座(0-1)…▲阪口勝ち

 堀口はまだちょっと順位戦戦える体調ではなさそうで心配です。