B-2 class : 2nd game

 今日の順位戦中継見てたら、藤井猛による「角交換四間飛車を指しこなす本」がいよいよ出るとの情報が。思わずうおおぉとテンション上がりましたが、よく考えたら私は角交換四間を指すことも指されることもないんでした。

鈴木大介(0-1)-△杉本昌隆(0-1)…▲鈴木勝ち

 振飛車党同士の対戦ですが、戦型は横歩取り▲青野流。ただ、お互いが飛車をぶん回した結果、先手の飛車は8筋に、後手は2筋に落ち着き、かつ囲いが金無双もどき(5二にいるのが金ではなく銀)になったので、相振り飛車にしか見えない形に。だったら最初から相振り指せばいいのに。
 終盤は今期の両者の不調っぷりをあらわすグダグダの泥仕合。「鈴木が力をこめて角を打った。これは先手玉が詰んでいる」というギャグのようなコメントからの杉本詰み逃しで、勝ちを拾ったのは鈴木。久しぶりに勝ったの見た気がします。

  • MIM:△6七成銀(122手目)…杉本痛恨の一着。代えて△6七金なら詰んでいたとのこと。本譜と同じように7八で飛車取った時、5七に成銀がいるので△6八飛と打てるということですね。

井上慶太(0-1)-△高橋道雄(0-1)…▲井上勝ち

 横歩取り△8五飛の相中原囲い。高橋が角2枚のニラミで攻め立て、これは受けづらいんじゃないかと思ったら、井上はあっさり飛車をタダで取らせる桂跳ね。これが遠見の角のニラミを遮りつつ、後手玉頭を脅かす絶好手に。やむなく角でこの桂を食い千切りましたが、今度は左の桂が飛んできて、そこから桂馬二枚と歩だけであっという間に寄ってしまったのは驚き。△8五飛+中原囲いの斜陽ぶりを感じて、なんだか悲しくなりました。

  • MIM:▲4五同桂(59手目)…飛車タダやんの華麗な強手。この一手で後手の攻めの中心だった二枚角の一方は利きを遮断され、もう一方は飛車取れる代わりにそっぽに行かされと、ともに無力化。

▲泉正樹(0-1)-△先崎学(0-1)…△先崎勝ち

 相矢倉の出だしから、銀を4六・6六にニョキニョキと繰り出す▲二枚銀急戦。先手は銀捨ての過激な攻めを見せるもさすがにやや無理。反撃に移った後手も歩頭に銀捨てのお返し見せますが、これも派手なわりにはスパッと決まらず。先手も立ち直ってカオスな流れでしたが、最後は受け損なった感じであっけない幕切れ。

  • MIM:△5五歩(44手目)…銀捨ての乱暴な攻めに対して、角道を止めるのが冷静な対応でした。急戦矢倉系に対してはこの5五の地点を抑えてしまえば何とかなるということが多いです。

窪田義行(1-0)-△中田宏樹(0-1)…△中田勝ち

 角交換からの▲向飛車。後手が4筋に位張って玉頭戦に持ち込み、対抗型らしからぬ小駒ばかりぶつかり合う接近戦に。そのまま上から押し潰してデビル快勝。窪田も接近戦は強いイメージなんですが、本局はいいとこなし。先手の飛車は8九で座り込んだまま最後まで全く働かず、後手も8手目で手にした角を手放したのが終局直前の96手目。とにかく大駒が目立たない将棋でした。

  • MIM:△3一玉(62手目)…角成を防ぎつつ、戦場から遠ざかる一石二鳥の玉バック。渋い。

戸辺誠(0-0)-△畠山成幸(0-1)…△畠山勝ち

 ▲7六歩△3四歩▲7五歩△4二玉▲6八飛という出だしから▲石田流に。先手番なのに飛車の途中下車。こうまでして角道止めたくないんか。馬を美濃に引きつけて端攻めに出たあたりは振飛車良しなのかと思いましたが、居飛車も反撃してお互いが端を攻め合う展開に。引きつけた馬がかえって目標になってしまったのが誤算で、△1八飛とこんなところに王手で飛車打ち込まれてはもういけません。

  • MIM:△1七歩(58手目)…先手の端攻めの裏を取る垂れ歩。これがあんなに厳しいとは。

▲豊川孝弘(1-0)-△中川大輔(1-0)…△中川勝ち

 マンモス豊川対野武士中川、棋界きっての力戦派同士のファイター対決は力勝負の相掛かりに。飛車先を受けずに突っ張ってみせる豊川。このまま収まれば先手の模様良さそうというところで、収めさせるわけねえだろと居玉のまま殴りかかる中川。盤のどまん中での殴り合いとなりましたが、居玉のおかげで一段戦場から遠くなってるという、居玉がかえってプラスに働いて中川の勝ち。居玉は避けよ、但し素手でのタイマン除く。

  • MIM:△6五銀(48手目)…先手に落ち着く暇を与えないナックルパート。これが利きました。

糸谷哲郎(1-0)-△稲葉陽(1-0)…千日手指し直し
稲葉陽(1-0)-△糸谷哲郎(1-0)…△糸谷勝ち

 関西の若手ライバル対決は、横歩取りからあっさりと千日手となり指し直し。後手番に変わった糸谷が得意の一手損角換わりへ。顔面受けからの果敢な踏み込みで稲葉が追い詰めるも、糸谷玉が上部へ遁走。なぜかこの2人の対局はやたらと入玉型になります。2年前は稲葉が入玉を図って成功したかと思いきや2九の地点で捕まえられ糸谷勝ち。3年前は逆に糸谷が入玉し、5九にまで到達するもトライ勝ち宣告されずに結局は稲葉勝ち。三度目の入玉対決となった今回。糸谷があえて入玉を確定させずに1七の地点で踏み止まったのが、どうも罠だったような気がしてなりません。まだ不安定な糸谷玉見て稲葉は寄せるチャンスありと見て5八に飛車打ったんですが、これがかえって目標にされて反撃喰らい、逆に寄せられてしまいました。自玉を囮に勝機を掴むとは。おっかねえ。

  • MIM:△1七玉(106手目)…ここまでひたすら逃げてきた糸谷玉ですが、ここで完全に1九まで入ってしまわないのが駆け引きの妙。入玉確定させてしまうと稲葉も入玉目指し始める可能性が高く、そうなると点数勝負で負けてしまうのであえて確定させないという。結果的にこの玉は稲葉玉を寄せるのにも利いてくるというのがおそろしい。

▲田村康介(1-0)-△北浜健介(1-0)…△北浜勝ち

▲阿部隆(1-0)-△中村修(1-0)…△中村勝

▲佐々木慎(1-0)-△青野照市(0-1)…▲佐々木勝ち

▲安用寺孝功(1-0)-△島朗(0-1)…▲安用寺勝ち

 疲れたので残ってるのはあとで、書くかもしれないし、書かないかもしれない。