B-1 class : 3rd game

 B級1組はもう3回戦ですか。

村山慈明(0-2)-△谷川浩司(0-1)…▲村山勝ち

 ここまで勝ち星なしと苦しいスタートの両者の対戦は、後手谷川会長のゴキゲン中飛車。この時点で(アカン)と思われてしまうほど、会長のゴキ中は信用ないと思います。銀対抗の相穴熊から、角銀両取りの桂打ったら角は穴熊の要の金と刺し違えられ、銀には逃げられるという豪快な空振りで投了。ちょっと負け方が酷かったですね…。

  • MIM:△4三桂(72手目)…逆形作りとなってしまった両取りの桂打ち。放っておいても角切ってきそうなところですからねえ。

丸山忠久(1-1)-△豊島将之(2-0)…▲丸山勝ち

 豊島が丸山得意の角換わりを受けて立って腰掛け銀に。相手の攻め駒を責めて受けながら上部を厚くしつつ攻める、みたいなややこしい中盤でしたが、ペースを握ったのは豊島。上部脱出を図った丸山玉ですが、8八まで押し返されて△7六金・8六銀と金銀で抑えつけられては万事休す。…に見えたんですが、ここからなぜかヌルヌルと捕まらない。気づいたらまた7五まで這い出てきて、そのまま一目散にダッシュ入玉しちゃうのかと思いきや、ふと足を止めておもむろに豊島の攻め駒を王様自ら捕獲。おいおいそんな暢気な。そんなことしてたらまた9七の隅っこまで押し戻され、あーあーさっさと入玉しとけばよかったのにと思ってたら、ほぼ手付かずだった豊島玉を歩頭桂のぶち込みからいきなり詰ませてしまいました。おーこわ。どんな頭の構造してるんでしょう。豊島にしたら悪夢のような負け方。

  • MIM:▲7七桂(147手目)…▲8四玉と入れば入玉決められそうなところで、成桂を払うのがなんとも肝の太い一着。ここで拾った桂が十数手後に豊島玉を仕留めることになるんですが、どこまで読んでいたのか。

▲松尾歩(1-0)-△藤井猛(0-2)…△藤井勝ち

 3手目▲2五歩の角交換振飛車封じに対し、9筋を伸ばす△藤井システム風の出だしから、先手が一目散に玉を囲いにいこうとするのを見て後手が居飛車に変化するという、序盤から目まぐるしい駆け引き。そして、すでに松尾はスッパリ斬られていたのでありました。いつ斬られたかは不明。へたしたら11手目の▲7八玉が敗着という説も。

  • MIM:△8四歩(12手目)…角交換振飛車を牽制する3手目▲2五歩に対する藤井猛の回答は、端歩で間合いを図って先手の玉を上がらせてからの△8四歩。こんな指し方も今度出る指しこな本に収録、されてるわけがない。

木村一基(2-0)-△山崎隆之(2-0)…△山崎勝ち

 横歩取りから早々に飛車角総交換となり、さらに王手掛けながら4一に竜までできる激しい将棋。あっという間に決着つくかと思いきや、ここからお互い囲い合いを始めて序盤に逆戻り。角金銀銀桂香香とガチガチのバリケード築いた山崎が徹底的に木村の手を殺す根絶やし流の指し回しで快勝し、3連勝でトップに。しかしあの出だしで終局まで174手かかるとは思わなんだ。

  • MIM:△9四金(152手目)…相手の攻めの根っこを引き抜きにかかる金打ち。棋譜コメでの糸谷哲郎の玉頭戦では根っこの駒を攻めるべしという解説は勉強になりました。

橋本崇載(2-0)-△畠山鎮(0-2)…△畠山勝ち

 相矢倉のじっくりした将棋に、なりそうなところで畠山が角取り放置で銀を取るといういきなり全開の踏み込み。一気に終盤へと突入しましたが、ここでも割り打ちを甘受して攻めこむ畠山のかち上げに橋本も変化する間もなく、あっさり土俵割って橋本痛恨の一敗。

  • MIM:△4六歩(46手目)…角取り放置の強手。こんな手があるんですね。

▲飯塚祐紀(0-2)-△佐藤天彦(2-0)…△佐藤勝ち

 横歩取り△8四飛・5二玉型中原囲い。飯塚の攻めに対して、これは受けにくいかという控え室の声もどこ吹く風という感じで天彦は平凡に対応して、特に驚くような好手妙手も指してないんですけど、気づいたらキレイに一手勝ち。うーん、強い、のか?

  • MIM:△2八歩(56手目)…終盤戦の入り口というところで、手番の佐藤が選んだのは、二手かけて桂取ろうという手。そんなゆっくりでいいのね。案の定、手抜かれて猛攻を浴びることになりましたが、あとでこの歩打ちから拾った桂が活きてピッタリ勝つんですから参りました。

 3連勝は山崎、佐藤の2人に。まあ、まだまだ分かりません。3敗くらいまでボーダー落ちてきそうな気はします。