無間の鐘

 今週も王位戦の第2局に、竜王戦トナメ朝日杯女流王座と盛りだくさん。

郷田真隆(1組4位)-△深浦康市(1組5位)…▲郷田勝ち

 横歩取り△8四飛・5二玉型中原囲いの将棋。この前の中村太地戦では新手△1六歩でペース握った深浦、本局でも縁起のいい△1六歩を突いていく仕掛け。これが成功すれば1六の地点は深浦ゾーンと呼ばれたことでしょうが、この仕掛けは積極的というのを通り越して自爆気味な感じ。先手の飛車はあらかじめ下に引いて当たりを避けてるので技かけるのも圧迫していくのも難しいですし、右桂も使えてないですし。このややつんのめってる仕掛けに対し、郷田は落ち着いて体をかわしながら叩きこんでの快勝。
 ということで、勢いのいい藤森哲也を跳ね返した若手俊英の中村太地をネチネチといびり倒した深浦康市をバッサリ斬り捨てた郷田真隆。そして待ち構える羽生善治。なにこの無間地獄は。今の若手たちは前世でどんな悪事をしたというのか。

  • MIM:▲6六銀(83手目)…5七の地点を受けつつ7七への脱出ルートを開けて、受け切りを決める銀上がり。後手は左辺の駒が全く前に出てきてないので捕まらない形です。