チンピラ銀
王位戦は2局連続で相矢倉ですか。棋風的には先後逆の方がしっくりくるような感じですが、ともかく先手はしばらく一方的に攻めていける形ですので不満ないはず。羽生善治が本気出して力戦型に持ち込んでくる前に、挑戦者木村一基としてはポンポンと2勝してしまいたいところです。
- 達人戦準決勝
達人の中の達人を決める戦い、いよいよ準決勝！ …全く「いよいよ」感ありませんけど。大会始まってまだ3局目ですし。
後手が谷川会長で横歩取りに。△８四飛・５二玉型で銀が２三に立って。で、そこから飛車交換するにしろしないにしろ銀は２四に出て行くのがパターン。最近すっかり主流となった形ですが。この形って後手がそんな喜んで指すようなものなのかが不思議です。まずこの２四に出て行く銀が突っ張ってるわりに中身ないチンピラめいていて良い印象ありません。攻めにも受けにも半端でそこまで働いてないわりに、飛車の横利きといういつ切られてもおかしくない後ろ盾しかないので目標にはされやすいという。先手の飛車の利きが通ってるところをやんのかコラと正面から進んでいく度胸は買いますが、横に動くと飛車成り込まれてしまいますし、かといってヘタレて下に歩を打つようでは面子が立ちません。あと、飛車の横利きをキープしておくために７四歩をなかなか突けないので右桂の活用が難しくなるのも、無関係な一般人にまで迷惑かけてるようで嫌です。
悪いとこばっかあげつらってきましたが、△２四銀型の売りはというと1筋攻め。この端攻めもぱっと見でちょっと無理っぽいうえ、銀が2筋からなかなか動けないのでそこまで強烈な攻めとはなりにくいんですが。ともかく後手で分かりやすい仕掛けの手段持てるなら十分ということなんでしょうか。本局でも谷川会長が△１六歩から開戦。やはりちょっと無理っぽいようでしたけども、食らいついて２四のチンピラ銀も鉄砲玉として１五→２六→３七→３八と敵陣深くまで突入して守りの金のタマ取ることに成功。しかし、特攻してる間に先手に渡した桂香でド急所の５三を集中砲火されてドカーン。チンピラらしい最期でありました。
