ミーオ号の受難

 来月は、藤森哲也の急戦矢倉本中村太地角換わり本とが出るみたいですね。中村本は著者のイケメンぶりを前面に押し出した表紙の王道路線。必殺仕事人みたいな写真になってます。一方、急戦矢倉本というと金井恒太「対急戦矢倉必勝ガイド」とか及川拓馬「すぐ勝てる!急戦矢倉」など一冊でほぼ急戦矢倉をマスターできるような良著が既にありますが、今回の藤森本は一冊丸々使って米長流(&それを改良した藤森流)の解説という、マニアックにもほどがある内容となってる模様。米長流とか藤森以外誰も指してませんから。しかし最近めっきり棋書買わなくなった私ですが(一番最近買ったのが小林健二著「相振り飛車で左玉戦法 居飛車で右玉戦法」)、この藤森本には久しぶりに購買意欲が。イカした表紙の中村本もいいですが、イカれた作りの藤森本の攻めの姿勢、応援したいです。

中村真梨花-△渡辺弥生…▲中村勝

 奨励会員が荒らしまわってる中、準々決勝で唯一の女流同士の対戦となった本局。先手中村お得意の藤井システムに対し、後手渡辺は持久戦と見せて銀を繰り出していく右銀急戦で対抗。
 大駒総交換の大捌きから飛車を先着できたとなれば居飛車十分かに見えましたが、桂香取りあってさてと一息ついて盤面見てみると居飛車側はこれといった早い攻めがないし、泥舟囲いはグズグズでちょっと押されただけで崩れそうだし、美濃は遠い上に端広いし。あれ、これって居飛車必敗に近いんじゃ…と愕然。気を取り直して、攻め合いで勝ち目ないなら固めてチャンス待つしかあるまいと、一度出て行った銀を引きつけてみたり底香打ったりしたんですが、なにせ元が泥で出来てますので手入れしようが特に堅くなってる感じもなく。マリカ攻め喰らうとあっさり王様は舟から放り出されてあえなく溺死。この時期、水の事故にはくれぐれも気をつけましょう。あと舟の手入れは海に出る前にしてください。