佐藤流横歩取らせ縦歩取り

 今泉健司アマが浦野ハンドブックで詰将棋を毎日1000問解いてるという話を聞いて、自分も頑張らねばという気になったはいいものの、さすがに1日1000問はキツイから1週間1000問でいいかな…とさっそく妥協する弱い私。1日1000問が1週間1000問では7分の1の量ですが、棋力も7分の1くらいなので丁度いいはず。

佐藤康光(2-0)-△阿久津主税(0-2)…▲佐藤勝ち

 横歩取りの出だしでしたが、先手の佐藤が横歩を取らずに▲1六歩と端を突く趣向を見せます。最近、渡辺明も先手番で横歩を取らない将棋指してましたが、流行ってるんでしょうか。本局では先手にかわり後手の阿久津が横歩を取り、先手の方も結局3四の歩を▲3六飛→3四飛のルートで取ったので、縦歩取り対横歩取りというなんとも斬新な戦いに。
 斬新な将棋での構想力勝負となるとこれは完全に佐藤の土俵。なにせいつも斬新な将棋しか指してませんから。佐藤が飛車を見捨てての攻めを強行した時点で、阿久津陣の盤面左半分は△8四歩〜7三銀と横歩取り系の将棋とは思えない重たい格好で屈服、右半分は思いっ切り壁型。ちょっともうどうしようもない。
 強烈な強さ見せて佐藤は3連勝。久々の名人挑戦、そして初の羽生佐藤の名人戦も視野に。対する阿久津は3連敗。内容もいまいち覇気が感じられず。思い出A級コースまっしぐら。

▲北浜健介(2-0)-△中川大輔(2-0)…△中川勝ち

 B級2組3回戦も行われましたが、モバイル中継あったのは2局。
 相掛かり愛好家同士の対戦ということで、当然、戦型は相掛かりに。先手引き飛車棒銀
 角交換から先手は3四の一点狙いで33手目▲5六角と早々に角手放しましたが、これが効果イマイチ。後手は自分だけ角を手持ちにしてるというアドバンテージを活かして駒組みでジリジリと優位を奪っていき、64手目△2七角が飛車金両取りのクリーンヒット。以下も焦らずじっくりことこと料理して中川快勝。

中村修(2-0)-△島朗(0-2)…▲中村勝

 ▲7六歩△8四歩▲5六歩の中飛車模様から向飛車に振る将棋。
 先手はごく普通の美濃囲い。と見せかけておいて左銀を2八まで引きつけて四枚穴熊に。美濃と見せかけての穴熊というと神吉流と呼ばれる指し方がありますが、本局は端歩突いて高美濃に組んでからの組み替えですので、より見せかけ度が高いです。後手も穴熊には穴熊をといきたいところですが、すでに桂を跳ねてしまっていたのでクマることができず、銀冠に。
 力の入った捌き合いから飛車を先着したのは先手。穴熊に飛車先着されては厳しいですが、後手も受け一方の角打で我慢しながら、上部に厚い銀冠を活かして玉頭戦に勝負を賭ける。かと思いきや、玉頭戦が始まろうとしたところであっさりと後手投了。早投げで知られる島ですが、さすがに早すぎやしませんか。

 B級2組は3回戦終わって全勝が中村修中川大輔糸谷哲郎、佐々木慎の4人(佐々木は3回戦抜け番だったので2勝)。ただこの4人は順位が19〜22位と揃って低いですし、イヤらしいオヤジ揃いのB2ですのでまだまだ。